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山椒と花椒(ホアジャオ)の違い

山椒と花椒(ホアジャオ)の違い

目次

違う!似てる?山椒と花椒

違う!似てる?山椒と花椒

 激辛ブームに次ぐシビ辛ブームの到来で、コンビニに並ぶカップ麺やスーパーの調味料コーナーでも、その名をよく見かけるようになった花椒。“椒”の一文字から胡椒や山椒と同じスパイスであることは知っていても、そもそも読み方が分からなかったり、山椒であることは知っていても、鰻の蒲焼きに振りかける山椒と何が違うのか分からない人もいるのでは?

 花椒は日本語だと「かしょう」、中国語では「ホアジャオ」と読む、シビ辛の四川料理に欠かせない中国原産の山椒です。一方、鰻料理の薬味や京七味の風味素材としておなじみの山椒は日本原産。どちらもミカン科サンショウ属の植物で、乾燥させた実の果皮を使用しますが、花椒の場合は熟した赤い実の果皮だけと限定的。それに対して日本原産の山椒は、熟す前に収穫した青い実の果皮も原材料になります。その理由は、日本原産の山椒には時季によって収穫できる部位が様々にあり、葉から花まで余すところなく愉しめるからなんです。

 春の筍料理に添えられる木の芽は、山椒の若葉である葉山椒のことを指します。お料理に爽やかな香りを付ける飾りとして使われることが多く、まだ山椒特有の辛味はほとんど感じられません。
春の終わりに黄色い花を咲かせる雌株の蕾は花山椒と呼ばれ、こちらもお吸い物の飾りや焼き魚の薬味、佃煮などに利用されます。この頃にはピリリとした辛味が穏やかに愉しめる状態で、香りもまた木の芽より優しく上品な風味に。名前が似ていることから同じ山椒に間違われやすい花椒とは、原産地も部位も全くの別物なんですよ。

 粉山椒の原材料になる実山椒の旬は、一年に二度訪れます。初夏に収穫される青い実山椒は、しびれる辛さと清々しい香りが最も冴えていて、実もやわらかいのが特長です。乾燥させた実の果皮で粉山椒も作られますが、塩漬けや醤油漬け、ちりめん山椒といった、格別の風味と実のやわらかさを活かしたレシピが充実しています。実山椒は成熟するにつれて硬くなるため、残暑から初秋にかけては花椒と同じく果皮のみを使用して、粉山椒にします。

 同じミカン科サンショウ属の植物であること。実が赤く熟して硬くなったら果皮だけを使うこと。中国原産の山椒である花椒と日本原産の山椒には、違いもあれば似ているところもあります。
中国では最古といわれる薬物書に薬用植物として、日本でも厚生労働大臣が定める文書に生薬として収載※1されていて、どちらも身体の不調を和らげる効果が期待できるんですよ。

山椒が持つ成分と、期待できる効果とは

山椒

 身体の不調を和らげる効果が期待できる山椒と花椒には、一体どんな成分が含まれているのでしょうか。山椒も花椒も、原産地が違うというだけで同じ山椒とあり、成分はほぼ同じです。

 まずはあの、強いしびれの素となっているサンショオール※2という辛味成分。山椒を口にすると舌がピリリとしびれる理由は、サンショオールが局部麻酔のように作用するため。これによって、脳が刺激されて内臓の働きも活発になり、胃腸を整える効果があるとされています。また、新陳代謝も活発になることから発汗が促されるので、冷え性の対策や痩せることを目的とした食事に取り入れるのも良さそうです。実際これらの効果を利用して、冷えからくる腹痛などが和らぐよう身体を温めたり、胃腸の働きを助ける漢方薬も作られています。

 爽やかな香り成分にも、心と身体を健やかにする効果が色々。
山椒をはじめとした柑橘系の植物に含まれるシトロネラール※3という成分には、鎮痛・鎮静作用や抗菌・殺虫作用があるとされています。そのため、リフレッシュ効果が期待できたり、虫除けにも活用できることから、アロマテラピーにも用いられています。さらにもう一つ、山椒には抗酸化作用があるポリフェノールも豊富。ポリフェノールといえば、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を予防したり、アンチエイジングが意識できる成分とあって、積極的に摂りたい人も多いのでは?

 「おちゃのこさいさい」には、これらの有効成分が手軽に摂取できる香り高い粉山椒や、山椒と花椒の両方を使ったシビ辛の万能調味料もありますので、是非チェックしてみてください。

成分は似ていても、しびれと香りに違いは?

麻辣

 辛味成分のサンショオールや香り成分のシトロネラールなど、代表的な成分がほぼ同じとはいえ、花椒と山椒ではしびれや香りにハッキリとした違いがあります。

 中国原産の花椒は、キリリとしびれる辛さで、香りまで鮮烈。
四川風・麻辣(マーラー)と書かれた麻婆豆腐や担担麺を食べて、普段よく食べる中華とは比べ物にならない、しびれる香味に驚いたことはありませんか?麻辣とは、シビ辛の四川料理を代表する味付けのこと。中国語で“麻”は舌がしびれる山椒の辛さ、“辣”は舌がヒリつく唐辛子の辛さを意味しています。四川風の麻婆豆腐や担担麺には、本場さながらのしびれる辛さを引き出すため、山椒よりもしびれが強くて香り高い花椒が“麻”のスパイスとしては定番なんです。

 日本原産の山椒は、ピリリとしびれる辛さが心地良く、香りも爽やか。
辛さは花椒よりもマイルドなので、京都では七味唐辛子に風味を付ける素材としても親しまれています。脂がのった鰻の蒲焼きはもちろん、すき焼きや鴨鍋、鶏の照り焼きなど、お肉料理の薬味にも最適です。ピリリ爽やかなしびれと香りで味覚が冴えるので、舌に感じる素材の旨みが一段とアップし、脂っこいお料理もさっぱり味わえます。また、塩分を控えた薄味のお料理に振りかければ、山椒風味の七味唐辛子と同様に物足りなさを解消してくれます。

 豆知識として、山椒と花椒のしびれを治すのに有効的なのは、温かいお茶やホットミルク。しびれごと、口の中に残った山椒と花椒を洗い流してくれます。食後のデザートにヨーグルトやミルクたっぷりのバニラアイスを食べるのもおすすめです。

パウダーやホールは、どう使い分ける?

使い方色々!山椒と花椒

 近頃は専門店や輸入食品を扱うお店でなくても、身近なスーパーで世界各国のスパイスが購入できるようになりましたよね。スパイスによってはパウダーだけでなく、ミルで挽くようなホールも売られていて、時々どれを買ったらいいのか迷いませんか?
特に花椒は、まだまだ山椒ほどポピュラーではないので難解。そこで、おすすめの使い方をご紹介します。

 パウダーで購入した場合は、胡椒の代わりに使ってみましょう。チャーハンやパスタ、スープの仕上げに振りかけたり、オリーブオイルやごま油にも合うので自家製ドレッシング作りにも。お肉の臭み取りも兼ねて、塩と一緒に下味を付ける際に振りかけるのもおすすめです。餃子のあんや豚カツ、ハンバーグなどの下味にすれば、いつもよりさっぱり仕上がってワンランク上の風味に。きんぴらや煮物といった、野菜料理の香り付けにもどうぞ。意外なところではチョコレートや羊羹、洋菓子との相性もいいので、まずは山椒パウダーから試してみてください。

 また、パウダーはドレッシングのように山椒塩や花椒塩作りも簡単です。塩と山椒・花椒の割合は好みによりますが、花椒はパウダーでもキリリとしびれる辛さが強いため、少量ずつ塩と混ぜ合わせて辛さを調節しましょう。逆に、塩分を気にする方は山椒パウダーを多めにしても。山椒塩は天ぷらに、花椒塩は唐揚げにと、料理によってその都度パウダーと塩をブレンドすれば、いつでもフレッシュな辛さと香りが愉しめます。

 山椒・花椒パウダーは、七味・一味唐辛子と同じく、デリケートなスパイスです。空気に触れると風味が飛びやすく、湿気や光にも弱いため、「おちゃのこさいさい」では真空状態で冷蔵保存することをおすすめしています。とことんフレッシュなしびれる辛さと清々しい香りを求めるなら、食べる直前にミルで挽くことができる、ホールを購入してはいかがでしょうか。ご家庭にミルが無い場合は、ミルが付いた状態で売られているホールタイプの山椒・花椒を買うも良し、粗めに砕きたい時は包丁の平らな部分で押し潰したり、すり鉢も利用できます。

 ホールはちりめん山椒などの佃煮だけでなく、そのまま煮込み料理や魚の煮付けに使うことも可能です。できあがった料理も山椒・花椒をそのまま器へ盛り付け、果皮を飾りにしましょう。包丁の平らな部分やコップの底で軽く潰して、中国料理店で味わうようなシビ辛・ピリ辛の炒め物も作ることができます。香りと旨みを引き出すために、唐辛子やニンニクと同じように油で熱するのがポイントです。焦がすと苦みが出て、折角のフレッシュな辛さと香りも飛んでしまいますから、ホールタイプの花椒と山椒は必ず弱火で炒めてください。

 パウダーで作る合わせ塩感覚で、ホールでも自家製の調味料作りにチャレンジしてみませんか?イチ押しはホールタイプの花椒と、ごま油や菜種油などの植物油を組み合わせた花椒油(ホアジャオユ)。作り方は炒め物と同じく、軽く潰した花椒を油の中に入れて弱火で熱し、香りが出たらキッチンペーパーなどで濾すだけ。花椒油はラー油と似た使い方が愉しめる他、四川風の味付けや中華ドレッシングのベースにも重宝する、万能調味料になります。

 使いやすい山椒パウダーと、花椒だけでなく山椒も使った万能調味料は、「おちゃのこさいさい」でもご購入いただけます。パウダーかホールか、そもそも花椒か山椒か、お買い物の際にどれを買ったらいいのか答えが出ない時は、すぐさま食卓で使える『京の山椒』や『京の麻辣醤』で好みや愉しみ方を探ってみませんか。

〇〇の代用は、山椒と花椒におまかせ

ケーキ

 山椒を切らした時に代用できるスパイスといえば、山椒をピリリときかせた京七味。マイルドな辛味と香りが立つという点では、ホワイトペッパーも近いものがあります。だけど、花椒のしびれる辛さと香りが再現できるスパイスは、悩ましいところ。熟した実を乾燥させて、果皮だけを使った日本原産の山椒で代用するか、山椒も無い時は、ワイルドな香りが強いブラックペッパーで刺激的な辛さを補うのも手です。それとは逆に、花椒と山椒が代用できるスパイスやハーブはあるのか、調べてみました。

●唐辛子の代わりに…

 七味唐辛子に合わせても相性がいいので、鷹の爪などを切らした時のピンチヒッターに。お料理をピリ辛に仕上げるなら山椒、激辛なら花椒と、辛さのレベルによって使い分けが叶います。

●胡椒の代わりに…

 ブラックペッパーの代用は花椒、ホワイトペッパーの代用は山椒と、胡椒でも使い分けが愉しめます。香ばしい胡椒と同じように、花椒と山椒も風味豊かなので、食欲をそそってくれます。

●生姜の代わりに…

 すっきりとした辛味と香りが、お肉や魚の臭み消しになる生姜の代用も、花椒と山椒におまかせ。唐揚げの下味や魚の煮付けには山椒、味噌煮込みなどの濃いお肉料理には花椒をどうぞ。

●パセリの代わりに…

 生姜の代用になるなら、生姜と同じ香味野菜であるパセリの代わりにも、少量の山椒を振りかけてみてください。パセリを想わせる淡いグリーンの彩りと、爽やかな香りが付けられます。

●わさびの代わりに…

 刺身やざる(もり)蕎麦に薬味として添える、わさびのツンとした辛味や清涼感のある香りは、山椒とちょっぴり似ています。わさび代わりに山椒を使う時は、直接刺身や蕎麦に振りかけて。

●紫蘇の代わりに…

 「おちゃのこさいさい」では紫蘇もまた、七味唐辛子の素材として使用していますので、山椒と相性良し。青紫蘇の爽やかな香りがほしい時には、山椒をほんの少し使うのも良さそうです。

●レモングラスの代わりに…

 シトラス系の香りがするハーブ代わりに用いる場合は、辛味付けも兼ねた使い方がおすすめ。レモングラスを香らせたタイ料理風の味付けには、辛さと香りの鮮烈な花椒が合います。

参考文献(脚注)

※1:第十八改正日本薬局方(医薬品各条生薬91ページ)

※2:サンショオール(Wikipedia)

※3:シトロネラール(コトバンク)

福井 愛

この記事を書いた人
谷口 真彩

おすすめ商品『京のうま辛山椒ふりかけ』
茄子と炒めるだけで簡単「麻婆茄子」になります。
仕上げに『京の麻辣醤』をかけるとよりコク深く山椒の効いた一品に。

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投稿日:2022年08月18日

更新日:2022年10月13日